藍海(うみ)の波風(かぜ)/栗栖真理亜
 
遥かなる波の音
静寂とともに私を浚ってゆく

暗い波間にみえるのは私の人生そのもの
脱け殻のように漂う空虚な身体を
ただ、ただ、弄ぶ気だるさよ
そのまま冷たく神聖なる水に洗われ沈みたまえ

深き藍色に染めし海は我が身を深く包み込み
再び、虚無の世界へと還すだろう
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