醜物記(かいぶつき)/
栗栖真理亜
哀しいかな
我が人生
絶望の淵に立たされ我が身を痛ましく思う
人としての営みも何もかも捨て
これからは生きることよりも
暗き窖(あなぐら)へと入り込むことのみ考えてゆこう
死に神の導くまま歩を歩めば
人間であった過去すべてを忘れ去ることが出来る
嗚呼、苦しみは去り安楽なる路が約束されるだろう
私という人間は忘れたまえ
無用の長物となりし肉体は腐り果て土となって
大自然のなかへと還って逝くのだから
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