赤い糸の誓い/栗栖真理亜
 
乾いた空気が冷たく私の頬を撫でる
同じ想いばかりが私の頭のなかを
ぐるぐる駆け巡っている

愛しきあのヒトはいまどこで
何をしているのだろう
そればかり気兼して
眠れぬ夜を幾晩も幾晩も過ごしている

貴方の優しい瞳が私の記憶を
暖かな過去へと時折遡らせるけれど
虚しき想いだけが暗い雪のように
しんしんと降り積もってゆく

ココロが冷えきってしまう前にすべてを投げ捨て
貴方の元へと逢いに行きたい
貴方の側へと辿り着くコトが赦されぬならば
せめて、貴方の元気な姿を陰ながら見届けたい

いったいどんな神に祈れば叶えてくれるのだろう?
赤い糸の願い

何もかも分からないまま運命に身を任す私だけど
いつか流れ流れて行く着く先は貴方との涙の再会
その時は貴方にすがりつき
二度と離れぬよう固い約束を交そう


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