知の偏在/室町 礼
 
してゆく
ことになる。
わたし一人ではこうはいかないがそこに知的能力の高い者が
ひとり加わると縁側で向かい合いながら
会話はとどまるところを知らないで展開していく。
わたしと違って知識が豊富で頭の回転のはやい、偏差値教育的
能力のある友人は勘と感覚だけで語るわたしの突拍子もない
妄想を、めまぐるしい速さで論理的に解析して、ある解釈に
至るらしい。そして、
にっこり笑って、どこまでも愚鈍なわたしの迷想に
時を忘れてつきあってくれるのである。
それによれば、これは一種の「貴種流離譚」ということ
になるらしい。
わたしも最近、中国ドラマを浴びるように観てわかった
ことだけど、
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