終りのない旅/
岡部淳太郎
を掻き回していた
不審に思って近寄ってみると
それは俺の脳味噌であり
運転手は柄杓でそこに小さな傷を入れようとしているのだった
俺は叫び 逃げ出そうとしたが
ふと足下を見ると左脚が欠けており
同じく左腕も欠けているのがわかった
俺はさらに叫び
そこで目が醒めた
麻痺した左腕と左脚に
鈍い痛みが広がっていて
次の瞬間には 終りがないかに見える
この病の日々のことを思った
(2025年1月)
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