どこへ/紅茶猫
 
「夏」
北向きの窓に小さい絵の具をかき集めて
一番輝いていた頃の僕は
静止画のように夏を洗う

よそおう纏う切れ端は
僕のような顔をして
どこへ行くのか答えない


「言葉猛獣使い」
意味のない言葉をつらつらと並べて
言葉の供養をしています


「波」
黒電話はだるまのようだ
風の合図に目をつむる
切れた配線
どこへつなごう
波と波の弾けるところ
忘れ物をしてきたと
いつか詩人が言ったところへ
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