やさしい絶歌/秋葉竹
 

  
 

なぜか
どこかから
聴こえる歌声があり

その
素人のあの子がカラオケで歌うその声に
実は

泣いたことがあって。

外には
まだ若い女の子たちが
その店へお客を連れて行こうと
プラカードみたいの持って立ってて
あ、声かけるの
法的に禁止されてるのかなと
想ったり想わなかったり
すこし
やさしくなったり、ならなかったり

ひとは、生きるのですから、
って、そんな言葉、好き


夜の街に灯るネオンは、もっと好きよ


そんな世界に棲んで
幾度笑っただろう
幾度泣いただろう


ただすき透る声が聴こえる
シンと静ま
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