金の斧と銀の斧/鏡文志
 
あるところに、大変正直な木こりがおりました。
いつものように、木こりが斧で木を切っていると、手を滑らし、斧を湖に落としてしまいました。
木こりが湖の前で
「はて、どうしたことか?」
と思い悩んでいると、湖から水の精が出て来て、こう言いました。
「おじいさん、貴方が落とした斧は、この金の斧ですか?」
正直な木こりは
「いえ、違います。私が落とした斧は、そんな美しい斧ではありません」
と、答えました。水の精は仕方なく、また湖から顔を出し
「では、貴方の落とした斧は、この銀の斧ですか?」
正直な木こりは、これにも
「いえ、私が落とした斧は、そんな上等な斧ではありません」
そう言わ
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