風速計/
たもつ
春が着いた
質感でそのことを知った
白いシーツ
草のようなところで
息を吐いて吸う
自分の内も
入れ替わり始める
良く整備された風速計の
真似をしようとして
笑ってしまった
本当は風のことなど
何も知らないのだから
誰にも気づかれないように
太陽を少し盗んだ
春の温もりを
春の痛みを
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