抜けの良さをぬけぬけと語る「抜け」と「ピアノリサイタル」/鏡文志
とすれば女であり、女に値するもの、つまり大衆が欲しがるものは、成果ではないか? 良質を作るための準備期間としての沈思黙考を女が認めるか? 違う。早くしてよであり、早くだしてよである。種を欲しがり、実を欲しがる。それが女であり大衆だ。
私は違う。沈思黙考たる紳士として、悩ましきものには価値ある物を生み出す準備期間であり、それを必要とする間が必要なのだと考える。
ジョンレノンは、創作などカスの積み重ねであると語ったが、幾数多ある天才達が世に傑作を生み出すまでの間、どれだけの失敗と駄作を積み重ねてきたか? それも分からずに人々は天才だろうと凡人だろうと、非凡なのだから出来るでしょうと、アドリ
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