海のあなた/
 
海原に骨を撒いた
波が穏やかに飲み込んで
あなたの最後の引越し
あるいは野生に還す
自由に放たれて
世界中を巡ることができる

水平線を見て
地球とあなたの丸さを思う

私の知っているあなたは
眠ることを忘れるほど
好奇心旺盛で
人を驚かせていた
きっとこれからも眠らずに
ワクワクとしているのだろう

あなたがくれた愛に
縛りつけられるようで

自由なあなたに嫉妬してしまう
私はまだあなたにしがみつこうと
思い出をかき集めて
一つも落とさないように
必死にバランスを保とうと
悪戦苦闘しているというのに

さようならを忘れて
生きていけるように

あなたの旅した世界を教えて
私が気に入るシーグラスを
贈ってくれたら
思い出を海に流して
自由を手に入れるから
きっと きっと
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