3月初めのメモ/由比良 倖
るみたいに生きていて、ぎりぎりのところで病院に繋がれているような気がする。
先月の下旬に少し、意識が遠くなって、しかも冴えていて、そう言えばこの感じに、昔は好きなときに入ることが出来て、全てから切り離された世界で、宇宙の果てのシェルターで、温度の無い心地よさの中で、音楽の中で浮かびながら、電信機のようなキーボードを情熱的に打ち続けていられたな、とすごく懐かしく、嬉しく感じた。もしかしたら、僕は僕なりに回復出来るかもしれない。
小学生の頃、一番好きだった教科書は、音楽の資料集だった。楽器の写真はいくら見てても飽きなくて、特にクラリネットとか、すごい格好いいと思ってた。その後ハーモニカが好
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)