3月初めのメモ/由比良 倖
にはある程度の音質が求められるし、で。人間はある程度はアバウトな存在で、完璧じゃなくても、ある程度完璧に近いなら完璧になれる。完璧な文章は存在しないと村上春樹は(実はあんまり好きじゃないんだけど)最初の小説の最初の行で書いていた。でも、ある程度、つまりは自分なりに完璧だと、それはもう完璧ってことでいい。天国の宮殿が完璧に真っ白じゃなくても、真っ白に見えたらそれはもう真っ白ってことでいいんだ。
人間は素敵で、愛せる存在。多分、それを知っているだけでいい。
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