3月初めのメモ/由比良 倖
 
との出来るすごい力があるということは信じてる。困難も、一生懸命な数十年も、きっと報われる。神さまはいてもいなくてもいい。「いてもいなくてもいい」が、そのまま神なのかもしれないから。
日本語を書く人は、日本語を信じて欲しい。自分を満足させるに足る、十分で、しかも可変的な力が、日本語にはあるから。どんな言語にもあると思う。言葉を変化させることで、自分が変化する。自分って水みたいな存在だ。水に濡れただけの存在じゃなくて。身体なんて無い。けどきちんと在るから大丈夫。心配しなくても何にも無くならない。

本居宣長は山桜を死ぬほど愛していた。葛飾北斎は富士山とか波を完璧に目撃したし、あらゆる形と、多分描
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