妖精にもどる/nm6
 
 
 
 
 
夜闇。暗さに光線、たとえばただアスファルトの隆起したひとかけらを照らしている。点は(このままだよ)とささやき、いつしか光の粉をまいて。すふすふと積もり、埃のようにけむりながら少しずつ散らばる。アスファルトの一点は(おはよう)とやがて陥没した部分へとずれてゆき、その断面が彼女と朝との境目だったことに気がつくのだった。さあ「カルヴィーノ」の発音を。きみは妖精にもどる。


事務。昼下がるグレー、プリントアウト生誕。カンバセイションが影を落として響く(おやすみ)と会議の夢をみた。何かの作業を/その中で何度も。たいていぼくらはその場所で必死だ。なぜか静止画の作業は終わったらし
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