自然と、人間/鏡文志
 
とも、人間は自然ほど力を持つことは出来ない
どれだけ愛に溢れ、どれだけ意気揚々としても、人間は自然ほど万能でもない
いつも答えは、風任せさ 風に弄ばれている

人間が求める全ての欲求は、個々としての全体への無力さの前に、平伏すのみである
風に答えを求めても、流れ吹き抜けるのは、奔放なメロディだけである
神の奔放に弄ばれ、それを蝶々への愛としてお花畑に生きるのも、時には良い
捕まえることは容易い。泳がせ、眺めることを良しとする人生は、虚しい
その虚しきを埋めるものが芸術であるならば、芸術というこの難きもの。このロマンを、手に入れなきによって手に入れた私の人生も、悪くはないと思うのである
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