死の家に住まう光の先鋭化/菊西 夕座
 

家は設計されたときに自らの完成をみる
建築家の立原道造がときを引き詩をたてる
はじめから死の骨組みで編まれた愛の生家
居住者は光の柱に舞うだけの静謐な塵埃

建築は頂を完全な月の満ち欠けに追う
終わりからはじめて光を先鋭化する旅路
うみづきの母体が満月をかたどる基礎から
露とこぼれる愛し子の棟にとけいる集約化

成長とは常に一点をめざして搾りだす営み
生きる過程でえたすべてを愛につぎこむ技
愛の熱が夜ととけおち影をあたためる奇跡

斜めから建築を貫き光の柱がときをかえす
渦をまきながら銀河星団になる設計のもと
踊り場に浮遊する埃がまた一つ塵をいやす

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