壊したい部屋/タオル
知らない人が画面越しで叫ぶ
それからその人は叫んでいる人にかわる
わたしはただ見ている人だ
叫んでいる人のまま、
画面はこちこちに凍りつづけ、
どうせあすにはみんなして踏みしだく
人類の土台となる
一瞬だけ生きようとおもって
窓をあけた
ふゆの風とはるの風が交わっていた
じごくでも花は咲こうとするのを
どう思えばいいか?なんて
あの人にはもう窓がないから
いちにちじゅう空を見っぱなしで
もう空なんか見ないでいたいのに
太陽は照る、しつこく
うらがわばかり そだった
うらがわばかり 喧噪に満ちる
大あくびしているんだよ生臭い
この世界 一体だれの部屋なんだ?って
凍った画面に映りこむじぶん カメラ
目を瞑って朝を埋めこんだ部屋を消そうか
もういらないって
夜が終わっても
せかいのどこかで夜がつづいているなら
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