失くしたナイフ/ホロウ・シカエルボク
 

音も無く過ぎ去ったものたちが語らなかったものを洗いざらいぶちまけていく明け方の夢、目覚めた時ベッドのヘッドに食い込んでいたサバイバルナイフ、それは俺のお気に入りのものだったがそれが俺の手によって行われたものなのかということについてはまるで確証が無かった、昨夜のことは何ひとつ思い出せなかった、が、酒を飲んだとかおかしな薬をのんだとかいうことはまず無かった、そういうものにはまるで興味がないからだ、もちろん、眠っている間に誰かが忍び込んで俺にそうしたものを飲ませることは出来るかもしれない、念のため室内を見て回ったけれどドアや窓はきちんと施錠されていたし、誰かが部屋の中をうろつき回った残滓のようなもの
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