悪徳の泉/
栗栖真理亜
ロっと蕩けるような感覚
忘れえぬ感傷
味わい深きエクスタシー
悪への哀愁
咆哮
時を駆け抜け私は私となる
闇夜に目を光らせ敵の匂いを瞬時に嗅ぎ分ける獣となる
黒い扉に隠された私という獣が飛び出すのだ
まるで待っていたかのように
血走った眼を光らせ人間の黒い血を追い求める
暗闇こそは私の安穏な巣窟
今宵もまた私本来の野性を取り戻す
途切れた時間を縫い合わせ暗い欲望を撒き散らす
さあ黒く染まれと願いを込めながら
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