冬はまだ続くみたいだ/山人
宇宙のひとかけらを持ち帰ることができたような日って何なんだろう、それってどんな風な心境の事を差すんだろう
一筋の光みたいなものが一瞬眉間の端から突き抜けていくようなことがあるんだけれど、そんな感覚なのかもしれない
とにかく今は巨大な怪物の内臓の中にいるみたいで、無臭だけれどとても臭くて視界がまるでよく見えない
咄嗟に生えてくるカイワレ大根のようなちっちゃな夢が、まばたきをしながらぴらぴらと浮き上がってはまた萎れてしまう日々があって、ああやっぱりここは未だ怪物の内臓なんだと思う
なんか、いたずらに日々が過ぎすぎていつまでたっても怪物の肛門から出ることができないでいる
まだ冬は続くようだ
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