桂花陳酒(2025.02.16)/草野春心
 

 喉を 僕は 通り過ぎて
 日差しの少ない部屋に入った
 時間の寂しさが近づいてきていた

 まだ 早かった けれど
 コップに 桂花陳酒を注(つ)いで飲んだ
 時間の寂しさが近づいてきていた
 喉を 脳を 胃を 腸を 僕が満ちていった
 衣擦れの音が 窓の辺りに 鋲で留めてあった


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