淡く遠い/唐草フウ
初めて贈った
お手紙には
何を書いたか今となっては
たぶん初めて化粧をしたときのような
恥ずかしさと酸っぱい胸の
はつ恋
それから何年もあと
さみしく笑うから
暗がりを求めて
心の箱のふたを
探し出す
正解を見つけることと
答えを知ることは
違うことを知る
また何年かして
失うことは簡単で
居てくれたらそれでいい
時めきはおまけくらいがいい
弾ききれない水はどこかへ跳ねて、
割りきれず流れている
短針が
12を回るまで
じっとしておこう
臆病に少しほほ笑んで
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