NWSFピカレスク・ロマン(スピンオフ小咄)『もぐら國王』?、付録つき/?任勇梓 Takatoh Yuji
やる!
國王、結局彼らの事務所で、大暴れ。小者の頭の一つや二つ、叩き割つたやも知れぬ。だが、「はいはい兄さん、そこ迄よ」ピストル構へた「組員」たちが、ぐるり國王を取り巻いた。
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〈社會とははぐれる為にある物かひとりふたりと拔け落ちてゆく 平手みき〉
【?】
と、その時、國王の懐のケータイが、鳴つた。
リーダー格らしき男が、にやつきながら「まあ冥途の土産だ、出なよ」電話は朱那からだつた。國王無言で、ピストルに囲まれてゐる様を、冩眞に撮り、返送した。
お蔭でボコられたが、まあ、分は俺の方にある。さう國王は確信した。
地下牢みたいな
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