ありふれた日常/栗栖真理亜
職場の昼下がり
パートのオバチャンが仕事の手を休めてコックリコックリ
やりかけの仕事目の前にあるのにまるで仕事してるように見せかけておいて
目を瞑ってまさに夢のなか
目が覚めても上司の目の前で悪びれることもなく「眠い、眠い」と苦笑いしてる
隣の机では少し若いパートの従業員が
同じくもう一人の従業員の耳に口を寄せて長話
その場にいない同僚の悪口を言い合っては嘲笑ってる
なんて快適な職場!
遊んでいる人々の横で黙々と仕事をする私達は怒鳴られ、貶される
まるで仕事の手も休まず真面目な人間は馬鹿を見るかのように
同じ部屋にいる正社員は注意もせずに見て見ぬ振り
まるで空気のように一日中過ごしておきながら
体の具合が悪いと言い訳して逃げている
こんな職場は空想ではありません
私の職場ではありふれた日常の情景
誰も止めない
誰も止められない
ありふれた職場の光景
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