〈死んだ思考〉と〈生きた思考〉について3./ひだかたけし
本質に即した思考に向かう人は、思考そのものの中に感情と意志とを共に見出すのである。
感情も意志も、現実の深みの中に存在している。
思考から離れて、「単なる」感情と「単なる」意志に向かう人は、
感情と意志の真の現実的性格を奪ってしまう。
思考を直観的に体験しようとする人は、感情と意志の体験にも適応するであろう。
しかし感情神秘主義と意志形而上学とは、
『直観的な思考』*による存在の把握を体験することができない。
この両者はあまりにも簡単に、自分が現実の中に立っていると思い込んでいる。
そして直観的な思考が感情を持たず、現実から離れて、
「抽象的な思索」の中で世界像の冷たい影絵を作っ
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