NWSF怪畸幻想ロマン 斬魔屋カンテラ!!『子を連れて』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
〈梅が枝を車窓に挿せばラジオ和す 涙次〉
【?】
杵塚は下手くそな俳句を詠んだ。〈コンビニのコーヒー沁みる春寒し〉
苦笑しながらコンビニを後にして、彼は愛機・カワサキZ-250に跨つた。と、
「きみきみ、だうかしたのかい?」Zの停めてある駐輪場の地面に、蝋石だらうか、繪らしきものをを描いてゐる、子供が一人。
「兄ちやん、バイク乘せて」見れば、明らかに保護者に構ひつけられてゐないその子は、上衣の袖を乾いた鼻水でてからせて、杵塚にさうねだる。Zは、例によりカンテラからのボーナスを遣つて、ブレーキシステムを改造してあつた。(そんな事、この子は知らないか、またも苦笑)。カワサキは
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