長男への2年後の追悼儀式用台本/鏡文志
えー、歳をとるということは段々存在が軽くなっていくということで、私のような人間にとっては大変身軽でいいもんだと言う時代がやってきたとも思うのですが、うー、やれ事業所を辞めたいと言い出すんでも、
「辞めたいならやめればいい」
と言ってくれる。その軽みに耐えかね、こうやって非行の果てに、お亡くなりになるということもえー、あるのかと思うと、うー、家に帰ればまた仕事を辞めたのか? 早く新しい仕事を見つけろ。それが出来ないなら入院しろと勧める人間がいる。
そういう意味ではやっと楽になったと、今亡骸を見て安心している気分です。
日本は人権国家と言われますが片方の人権しか認めていない。なにかというと加害
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