NWSF怪畸幻想ロマン 斬魔屋カンテラ!!『春一番が吹く迄』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
が、色川の母を、焚き付けてゐた…。
【?】
「鬼キ」には、こんなに樂チンに事が進むとは思ひがけなく、彼女は?見の見物と洒落込んでゐた。確かに色川の母の翻心には、「鬼キ」の囁きが絡んでゐた。「くつくゝ。尻の毛まで毟つてやるわ」
經濟的にカンテラを凹ませやうと云ふ試みは、魔界の者としては確かに斬新だつた。
中野區某所の喫茶店。仲本が血相を變へて、じろさんに食つてかゝつてゐる。「原告は五千萬を要求してゐる!」じ「そんなのカンさんにははしたガネだよ。カネなら隠し金庫に唸るほど入つてゐる」それより、こゝから先は聲には出さない。「【魔】が干渉してゐる、臭ひがする」
? ? ? ?
〈梅一輪チラリズムとは云ふ勿れ 涙次〉
「鬼キ」は、憑依先を、色川の母堂から、弁護士藤何某に移り變へた。より慾深な方へ- と云ふのが、この場合のセオリーである。
戻る 編 削 Point(1)