NWSF怪畸幻想ロマン 斬魔屋カンテラ!!『春一番が吹く迄』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
、?息吐息だつたカンテラに、じろさんが聲を掛ける。じろさんは、カンテラの差し料、傳・杜小路鉄燦モリノコウヂ・テツアキラをぶら提げてゐた。と、
「ぱあん!」何を思つたか、じろさん、カンテラの頬を張り飛ばした。すると、カンテラの口から、「鬼キ」の幽體がもやり、吐き出されたのである! じ「ほれ」大刀をカンテラに手渡す。カンテラ、最後の力を振り絞つて、「しえええええいつ!」「鬼キ」に斬りかゝつた。
「鬼キ」は千々に分断され、やがては消えた。
「濟まんです。じろさん。助かつたよ」「いや今を除いては、チャンスはなからう、と思つてさ」
それにしても、じろさんの所謂「古式拳法」の奥儀書に、そんな技の書いてある筈がない。じろさんは獨断して、そしてそれは圖星だつたのである。
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〈點々と夢の間にまに足跡をつける貴方は一體だあれ? 平手みき〉
だが、「鬼キ」が齎す波紋、はそれに留まらなかつた。これは、一匹の「鬼キ」が如何に執念シフネくカンテラ一味の周囲に取り憑いたか、その記録である。
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