NWSF怪畸幻想ロマン 斬魔屋カンテラ!!『春一番が吹く迄』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
てもぢやないが、「仕事ヤマ」に對處出來る躰には、当分戻らないだらう。カンテラは外殻の中で苦笑した。「病ひ膏肓に入る、とはこの事だ」要するに、斬魔屋稼業に付き物の、流行り病ひのやうなものだ。だがその「讀み」すら、甘かつたのだ。カンテラは「鬼キ」が意外に執念深いのを感じざるを得なかつた。
【?】
カンテラは、夜、皆が寢靜まつた頃を見計らつて、外殻の外に出た。南無Flame out!! 聲を密めて、さう再度、外殻脱出の呪文を唱へた。自分の人造の躰に焉はりと云ふ時期があるとしたら、それは今だらう。それ程までに、カンテラの衰弱は非道かつた。
「ちよつくら、お邪魔」獨り居間の椅子で、?
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