NWSF怪畸幻想ロマン 斬魔屋カンテラ!!『春一番が吹く迄』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
カンテラは(もし彼にそれがあるのなら)五臓六腑に灯油が沁み渡つてゆくのを感じた。
しかし、困つた事に、カンテラは躰に變調をきたしてゐた。南無Flame out…力無く云ふ。悦美の顔が見たい。それは、カンテラが、余程衰弱しきつてゐる事を、示してゐた。
悦「だうしたつて云ふのカンテラさん。ちよつと鏡、見て」カ「?」兎に角鏡を急ぎ見ると、そこには「鬼キ」に取り憑かれたとしか云へない、やつれた顔があつた。カンテラだからこそ、まだ正氣を保つてゐられるが、これが生身の人間だつたら、とつくに心までを「鬼キ」に奪はれ、躰を乘つ取られてゐるところである。
カ「さて。こんな俺がうろちよろしてゐたの
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