夜寄る依る世(回文)/水宮うみ
寄る雲が海の藻屑も水雲も呑み、鵜が潜る夜。
よるくもがうみのもくずも もずくものみうがもぐるよ
「どう? これ」「それこそ、これぞレコード」
どーこれ それこそ これぞれこーど
雲を説く、黙々と重く。
くもおとくもくもくとおもく
ふと、花火すら知らず雛は飛ぶ。
ふとはなびすらしらずひなはとぶ
溶けたい夜、音響いた。痛い日々と泳いだけど。
とけたいよおとひびいたいたいひびとおよいだけど
彼方のあなた。あだ名『あの田中』。
かなたのあなたあだなあのたなか
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