ひてろゆにほう談話/鏡文志
彼岸者の到達地である。
そこは裏寂しいところ。世界中を飛び回りて全てを知り、執着なきを生きているなら、それは心を失ったに等しい。とひてろゆにほう。
全ての言葉の意味はいつか解体され、水に溶けて海へと帰る。
分かること、受け止めること。理解すること。すべては後ろ構え。
現象として現れる事象こそすべてに先んずる神である。そしてそこに意味を求めようとするのは、神の真意を汲み取ろうとすることに等しい。と、ひてろゆにほう。
その目覚めであり、自覚を私にください、と私。
自分で探しなさい。と、ひてろゆにほう。
「潮味筋欠緩張挙永般」
おしまい。
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