NWSF怪畸幻想ロマン 斬魔屋カンテラ!!『ホムンクルス』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
らせる。新宿の、佐武ちやんが「姿を晦ませる」バア、その筋の、でも、人目を惹く盾を連れた佐武ちやんは鼻?々。「くー焼ける焼ける」皆の羨望を一身に浴びるのは、佐武ちやんにしても久方ぶり。盾に、特に昔の説明を求めず、戀一途な彼なのであつた。
ところ變はつて、魔界。鰐革は、シルクの白シャツにアスコットタイなど締めて、お洒落な事は確かだつたが、だうにも自信家に過ぎた。そこがカンテラにしてみれば、噴飯ものなのである。
將を射んとすればまづ馬から、と云ふ言葉がある。鰐革の自己中心的な考へでは、それは、まづ女から、なのであつた。「東京じゆうの女を、奴隷にしてやる。そして、あの悦美と云ふ、カンテラの情婦
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