1月の日記/由比良 倖
かったので、躊躇いなく捨ててしまった。ギターも何本か、さっさと売った。愛着が持てなければ、本当に、物を持っていても仕方が無い。もし、戦友のように愛着を感じていて、一緒に楽しく言葉や音楽を旅したキーボードやギターだったら、壊れても絶対に捨てないと思う。でも十数年間、僕は本当に一度も「楽しい」と感じたことが無い。
一日に少しずつでも進歩しているという実感があれば、生きていくことはそこまで苦痛じゃない。いつも情熱とか好奇心がたっぷりあればいいな、と思う。特に言葉と音楽に対する好奇心が、途切れることなくあればいいのに。何にもしたくなくて、ただ蹲ったり、ぼーっとしているだけで、一日はすぐに過ぎてしま
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