Poets on the Road   ── 旅立ったchori君へ/服部 剛
 
久々の一人旅で
新幹線に乗る

列車は加速し始め
多摩川に架かる空色の丸子橋を過ぎ
東京は背後に遠のいてゆく

あの日
君を見送ったのも
品川だった
かろやかに君は
こちらをふり返り、手をあげた

なんだか距離なんて
あってないようなもんだ
なんて気がするのは
時速300kmで走る
のぞみの空間の中で
酎ハイの酔いが
体内に回り始めているからか

この旅の理由が
今年の夏に若くして旅立った
詩人の君の
追悼イベントへ赴(おもむ)くゆえか

列車はふたたび加速し
名古屋のMIRAI TOWERは
背後に小さくなってゆく

――chor
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