なごり雪のような雪が舞う真冬のとある日曜日/山人
 
くるのだが、そのためか割とお腹が膨れてくるのである。最初にサラダ、汁物をとることで胃を一旦膨らませるという作用があるのだろう。食べるという事が一つの作業や儀式のようで、私の様な育ちの悪い人間にとっては常にみられているような感覚に陥ってしまう。思いっきり汚らしく、下品な音をたてながらがっつきたい気持ちになった。
 駐車場から出ると空は少し明るくなっており、降りはしないであろうと何も持たず歩きだした。
 巨大な香炉の前に並び、線香の束を買い火を点け香炉に投げ込みながら手を合わせ、その煙を体にまとう。前後には中国の方々が居り、なにか忙しそうにわからない言語を喋っている。中国の富裕層なのであろうか。そ
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