なごり雪のような雪が舞う真冬のとある日曜日/山人
 
び交い、自然と日本語に聞き耳を立てていた。 通路脇にはさまざまな出店がならび、寒い中、みな並んで食べ物屋の入り口にたむろしていた。やがて雪が勢いよく降り始め、フードを被る人やそのまま湿った雪に濡れながら歩く人に分けられた。私達は濡れながら急ぎ足で車に戻った。
再び長野市から離れ、飯山に向かいながら助手席で眠ってしまった。
車の中でいろんな会話を交わしたが、ほとんど覚えていない。昔のように何かを主張するでもなく、ふと急な階段の踊り場で、とりとめの無い会話をすることで、今を、今現在の呼吸を楽しんでいたのかもしれない。妻には妻の、私には私の、次の階段は少なくとも緩やかではないのだ。

 

 
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