なごり雪のような雪が舞う真冬のとある日曜日/山人
 
 天気はさほど悪くなく、三日に一度の山スキーが可能な日ではあったが、前回の山行で古傷であった膝の痛みが発症し、さしあたり体を痛める遊びは慎むべきなのではないかと山スキーはやらない日とした。
 ここ一週間以上暖かい日が続き、早朝の家業宅や自宅前の除雪の必要がまったくない日が続いた。毎日それが続くと辟易するのだが、その必要が無くなると逆に除雪をしたくなるのである。雪は時折強く降ったりするが、ふいに小降りになり、やがて止み、薄日が差すなど、まるで地面に溜まるという降り方をしない。まるで冬の終わりのなごり雪のようである。こんなままで冬が終わるとは思えないが、余力のある老人たちはまだ冬と闘いたいと思うのだ
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