NWSF剣豪ロマン カンテラ・サーガ、ピリオド3『からつかぜ』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
寄れ」惡鬼は目醒めてゐたのだ。と、ばたばた…。「倖世! お二人とも、何を」タイミング惡しく、杵塚が血相を變へて部屋に入り込んできた。カン「ち!」
 テレビの電源が點いた。誰もリモコンはいぢつてゐない。?痣を透かして、鬼の形相の倖世が牙を剥いた画像- 「斬れるもんなら、斬つてみやれい! この女ごと、な。ふはゝ」
 杵塚「やめてくれ! お願ひだ!」じろさんは明らかに度を失つてゐる杵塚の、鳩尾を突いた。「うつ!」彼は失神した。カンテラはすらり、と腰の物を拔き放つた- 「斬れ斬れ云ふなら、望み通り斬る迄」【魔】「何? お前には人の心がないのか?」カン「ないよ」
「しえええええいつ!」彼の剣の上に、倖世の首が載つてゐた。じろさんは瞑目した。「南無」。何処かで、風の音がする。ひゆるるる-

 お仕舞ひ。


【?】

 じろさんは降りしきる日射しの中、でゞこを膝に抱いて、片眼を瞑り、物語の成り行きを見守つていた。「少しエンディングが?し過ぎやしないかい?」
 タニケイことテオ「ま、こんなとこでしよ」。

 お仕舞ひ。




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