NWSF剣豪ロマン カンテラ・サーガ、ピリオド3『からつかぜ』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
した」意外にもカンテラは氣さくだつた。「あんたは眞面目に映像関係の勉強をしてゐるらしいな。俺の八卦にさう出てゐたよ」-カンテラは眞言密教の秘法を遣ふ魔導士でもある。
「せつかく知り合つたんだ、あんた何やら悩みを抱へてゐさうだ。話してみ」
 圖星を突かれて、却つて杵塚は黙モダしてしまつた…。


【?】

「實は。あれ(とまた倖世を顎で指す)と寢てゐる時、非常に重苦しい感じがして、つひ魘されてしまふんです」初對面に近いのに、その言葉たちはするすると杵塚の口から出た。
「あれ、を起こしてしまふんです。あれ、と會話、二三言すると、その氣色惡さは氷解するんですが」
 ふむふむ、とカンテ
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