百年2/はるな
 

あれからまた百年がたち
わたしたちは まだ無知だった

岩とか、波とか
空とか
そういうもののほうが
まだ世界をよく知っていた

まえの百年にしてきたことを
ひとつずつなぞって
きっとまた百年がたってしまうね

あなたの耳が
雨をとらえて濡れている
それを拭うことすらできないのだ


戻る   Point(6)