詩想、マナス(改訂)/ひだかたけし
「すると、イエスは母に言われた。『あなたはわたしと何の関係があるのでしょう。女の方。わたしの時はまだ来ていません。』」(ヨハネの福音二章四)
一点凝視 眼差しと化し、
毎夜襲い来る
途絶の苦 見入る
オノレ 、浅薄な
行音 業怨
ギョッギョッと発声、
この世 総毛立ち
直に観る苦の正体に
意味するをスルッと超え
言葉すっと入り込む
粉砕され粉砕する存在たち、
内に潜み蔓延る悪しきもの
このエゴイズムの腫瘍
肉の魂の苦に歪む低次の己が
自らを透過せんと立ち上がる瞬間、
裸形の世 既に五感の世を超え
自己満足の知識やら夢想やら
自らが築き巡らす鉄柵 突き壊し
影なるわたし アクセスし続ける、
自らに集中し
光輝く意識の視界
保ちながらも
更に自らを委ね開き
絶滅の奈落へ落下しつつ
至る巨大な静かさ 、
内に蠢く真に善きもの
私である
只々純粋な力に充ち溢れる現へと
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