Copy/栗栖真理亜
 
「本当にお母さんと声がそっくりね」
電話口に出てしばらく話をしてから
母の知り合いである女性にそう言われた
思わず顔を顰める

嫌なわけじゃない
ただ別人格であるはずの母とそっくりだと言われて
複雑な気分となっただけ

「他の方もよくおっしゃいます」
苦笑いを噛み締めながら
声はごく普通のトーンで応対する
相手は軽く笑いながら要件を伝え
それから電話を切った
受話器を置きながら
私ってそんなに似てるかしらと首を傾げる

『後ろ姿がそっくりでお母さんかと思った!』
そういえば帰郷してきた弟も驚いた顔でそう言った
顔を合わせるたび【この半端もんが】と
問答無用で
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