暗転/栗栖真理亜
繰り広げられている
私はずんとさらに重苦しくなった頭を抱えながら
俯いた
俯いた先の地面は白くひび割れて
もはや土なのか砂なのかわからないほど
乾き切っている
歯を食いしばりながらぎゅっと目を瞑ると
再び冥闇に覆われた
私は柔らかい布団の上で
枕を土台にして俯き加減に頬杖をついていた
どうやらいつの間にか眠り込んでしまったようだ
あまりの惨状を目の当たりにしたばかりに
ホッと胸を撫で下ろす
心なしか心臓がどっどっどっと激しく鼓動している
夢でありながら急激な場面転換と
あまりにもリアルで生々しい状態に
心身ともに疲れ切ってしまっているようだ
私は大きく息を吐きながら寝返りを打ち
スマホを枕の横へ裏向きに置きながら
苦しみ喘ぐ民衆の身を按じた
遠くから微かに響くサイレンの音を耳にしながら
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