旅人と村人/鏡文志
 
ために、打ち明け合う内容がないのだから。僕の体には沢山のメロデイと音符があってそれをいつも誰かとシェアしたい。君たちといると凝り固まりがいて辛くなる。僕は愛でいっぱいの世界に身を投じて、もう生きて帰れないかも知れないが、仕方ないよね。グッバイ!

旅人がそういうと、村人はもうなにも考えず、安心してすやすや眠りに入る。もう考えずに済むからどうでも良くなった。考える人間と考えたくない人間は同じ社会にいるべきではない。しかし考えたくない人間は従いたがる訳だから、何某かの考えてきた人間のアイデアに従っているだけなのだ。
村社会にいて新しきを持つ人間は旧式の考えない人々の輪にいつまでも止まるべきではない。それに気づいたら機会を見つけて脱出するべきなのだ。
戻る   Point(4)