待合室/栗栖真理亜
まだ残暑厳しい夏の日差しを体のうちに残しながら
クーラーの効いた病院の待合室で
自分の名前が呼ばれるのを待っている
なんとか予約時間に間に合うように
自宅から病院まで必死になって自転車を漕いで
時間よりも一〇分早く辿り着いた
今は薄緑色のソファーにゆったり腰を下ろしている
涼しい風が耳元から首筋にかけて吹き抜けてゆくのに
汗はまるで湧き水のように滲み出てくる
私は大きめのトートバッグに会社から送られてきた社員申告書を入れたまま
健康欄にそのまま病気のことについて書くべきかどうか
その対処に困惑し頭を悩ませていた
医師に相談する内容すら決めかね
気分を多少なりと
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