サーガ/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
(やけくそ氣味に詩ウタへる)

涅槃でしつぽり
僕たちはヤる氣まんまん
いつか外の世界を見たいと
きみは云ふ- 猫のやうに

その末が斯くなる苦界だ
僕たちはのたうち回る術を知つた

爆彈しかけた愛の浄土は
死にかけた
詩に書いた

曼荼羅だらけの西方
置き手紙を讀んだら
きみも旅立つて慾しい
別の未來
人ひとり抱へて
きみと云ふ

そしたらいつの日にか僕のソレを握らせてあげる
爆裂しさうな
都市狼の芯コアだ

西行の眞似して
山頭火の眞似して
僕は家を棄てる
心の、わが家を

威勢のいゝ事ばかり
恰好がつかないよ、もう

破綻がばたんと倒れかゝつてくる
それを?ひ潜り
だうにか上手い手を
考へつけよと

僕の過去世に云ふ
こんな筈ではない

こんな-
今、なる生は
今、なるサーガ(≒性)は
一心同體であつた

プラトン氏の片割れ

#詩
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