傳道の書に捧げる薔薇/?任勇梓 Takatoh Yuji
一平に
灯の入るころや
さゝめ雪 渡邊白泉
きみの風邪が伝染る處に
僕は寢る
人戀しいからではなく
確かめたいのだ
傳達能力を 僕たちの
情慾を
コンビニのをばさん(と云つても僕より齡下だらう)
に、今朝
「行つてらつしやい」と聲がけられた
何故か嬉しかつたけれども
僕が何処へ行くと云ふのだ
白泉の(冒頭の)句は
彼が所謂新興俳句を棄てた
のではなく
一平、なる一杯呑み屋の名をさらりと
詠み込んでしまふ
彼本來の、良い意味での
イージーさを保つてゐる
そこに眼目がある
さゝめ雪など 偶然に過ぎぬ
白泉は
偶然の人、ではない
僕の
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)